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利根川から見た初日の出。


 利根川から見た初日の出

 毎年正月は犬吠埼から初日の出を迎えるのだが、今年は相棒の調子が悪く、利根川の土手まで車で行き、そのまま二人で夜明けを待った。   この場所だと筑波山と富士山を眺めながら初日の出を迎えることができる。 暗闇が、やがて地平線から群青色になり、それもだんだんと明るさを増しながら橙色、朱鷺色へ、そして、朱色の太陽が顔を見せるまで美しく色相が変化していく。 まばゆいばかりの金色である。 宇宙の厳粛な営みではあるが、人は「明けない夜はない」とする。 写した時には気がつかなかったが、こうしてみるとこの絵柄はテレビドラマ「仁」の江戸の風景にも見える。 考えてみると、家康は、まだ残っていた江戸の自然、山や丘、を削り、谷や川を埋め、残りは江戸湾の埋め立てをし、当時の世界では稀有な大都市を造った。 書を開けば、江戸の都市計画や庶民文化、技術はすばらしいものだったと分かる。上下水道もあった。交易でやってきた外国人が 「市中にゴミがまったく 落ちていない町を初めて見た」と言わしめた。
それは「屑ーい、おはらーい」の掛け声でやってきた、今で言うリサイクル業者が落ちているゴミはすべて持ち去っていたからである。江戸の大火で燃え残ったり、火消し衆が打ち壊した家屋の残骸は江戸湾の埋め立てに回った。徹底したエコ思想が都市づくりに完結していた。  翻って今はどうだろうか。遠くない将来、首都圏の大震災が想定されている。しっかりした備えをしなければ先人たちにも笑われようものである。「おうおう、てめえら、いったい何を学んだイ」 と。                                                             杉野 記 
                                                                            

2013.01.09 14:32:18

テーマ:杉野 おさむ かけあし日記/ コメント(0)/

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