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「戦争法」本当にこのまま制定していいのか 制定に反対に賛成討論
2015年6月議会 30日の最終日
「戦争法」制定に反対する意見書 に対する質疑が行われました。
平和を願う思いを胸に討論に立ちました。
日本の子どもたちは、戦争を知らない平和憲法の「顔」をしていると聞きました。
人間と人間が殺しあいをする。「戦争」でいのちを落とすようなことはあってはなりません。
平和願うすべての皆さん「戦争法」をこのまま国会をとおしていいのか。真剣な気持ちで向き合うときではないでしょうか。
「戦争法」制定に反対する意見書に 賛成討論
「戦争法」制定に反対する意見書 に賛成の立場から討論します。
政府が「安保法制」として第189回通常国会に、提出した「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」は、この間の国会論戦から、この法案の本質が、憲法9条を全面的に破壊する「戦争法案」であることが明らかになって来ました。
3つの角度から討論します。
第一には憲法違反であることです。
戦後、日本の自衛隊は、半世紀余りにわたって、一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出してきませんでした。ここには憲法9条の偉大な力が働いています。そして、この憲法のもとで、政府が、戦後一貫して、「海外での武力行使は許されない」という憲法解釈をとってきたことも、重要な要因として働いています。 戦争法案は、この国のあり方を根底から覆すものです。
憲法に反する三つの具体的事例で明らかにします。
第一は、自衛隊がこれまで「戦闘地域」とされてきた地域までいって、弾薬の補給、武器の輸送などのいわゆる「後方支援」=兵站(へいたん)を行うことになるということです。「戦闘地域」での兵站は、相手方から攻撃目標とされ、憲法が禁じている「武力行使」に道を開くことになります。
第二は、PKO(国連平和維持活動)法の改定により、形式上「停戦合意」がされているが、なお戦乱が続いているようなところに、自衛隊を派兵し、治安活動をすることになります。戦乱が続いている地域での治安活動は容易に武力行使に転化します。
第三は、日本がどこからも攻撃されていなくても、集団的自衛権を発動し、米国の戦争に自衛隊が参戦し、海外での武力行使にのりだすことになるということです。新三要件が歯止めになるとしていますが、これは、一内閣の判断で決めることができるもので、従来の憲法解釈を百八十度転換する立憲主義の破壊であり、憲法9条の破壊です。 以上の点から、この法案の違憲性は明らかです。
この間、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とした安全保障関連法案について、衆院憲法審査会では、自民党が推薦した参考人を含め、3人すべてが「違憲」の見解を示しています。加えて歴代の法制長官も憲法違反との見解を示すに至っています。
さらに、政府は、集団的自衛権発動の要件の理由として、安全保障環境の変化を上げていますが、「他国に対する武力攻撃で、自国の存立がおびやかされる存立危機事態に陥った国が、世界に一つでもありますか」との問に「実例をあげるのは困難です」という答弁です。
戦争法案の「立法事実」が根底から崩れたといえるものです。憲法解釈を変更する理由がないということになります。
第二は 「対米従属性」――米国の無法な戦争に参戦する危険
この法案を推進している政府は、異常なアメリカ追随を特徴としていることです。 戦後、米国は、ベトナム侵略戦争、イラク侵略戦争をはじめ、数多くの先制攻撃の戦争を実行してきました。国連総会が圧倒的多数で、米国の武力行使を、国連憲章と国際法に違反するものとして、非難する決議を採択していますが、日本政府は、「反対」「棄権」の態度を取り、一度も賛成をしていません。
第三は 「歴史逆行性」の安倍内閣
第三は、「歴史逆行性」の問題です。安倍政権は、過去の日本の戦争を「間違った戦争」と言えない内閣だということです。 日本の過去の戦争への反省のない内閣が憲法9条を壊して「海外で戦争する国」への道を暴走する。これほどアジアと世界にとって危険なことはないといわなければなりません。
政府は、国際情勢を踏まえ「切れ目のない安保法制の整備が必要」と主張していますが、たしかに中国の軍備の拡張や、北朝鮮の核武装の問題があります。地域の平和と安定にとっての大きな問題です。ただこうした問題は、一方が、物理的な対応、軍事的な対応をやってきた時に、もう一方も、物理的な対応、軍事的な対応をやる、力対力、軍事対軍事のエスカレーションになることが、一番危険だと私たちは考えています。
安倍政権の一番の問題は、熱心なのはもっぱら軍事の話ばかりです。
日本国憲法9条を生かした平和の外交戦略を確立することこそ、いま日本に求められていると考えます。
2015年6月22日、政府・与党は、国会の会期を95日間、9月27日まで、史上最長の延長を強行し、安倍首相は「決めるときは決める」としています。暴挙というしかありません。今どの世論調査を見ても、今国会での成立に反対する意見が8割を占めています。
さいたま市議会においては、「安全保障関連法案の審議に当たり慎重な取扱いを求める意見書」が全会一致で可決されています。
第二次世界大戦の反省のうえに立ち、国民の総意で作り上げた平和憲法は世界に誇れる憲法です。今、再び戦争への道を歩もうとする戦争法案を認めることはできません。若者を戦場に送ってはならない。我が子や孫を戦争の犠牲にしてはならない。この思いは、思想信条の違いを超えて、全国民の願いです。議員各位もその思いは同じであると考えます。
本当にこのまま「戦争法案」を制定していいのか、よくよく考えていただき、平和を願う思いが込められた意見書に賛同いただくことを訴え、意見書に対する賛成討論と致します。
日本共産党久喜市議団 石田としはる
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