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二度と起こしてはならない
日米安保の壁を越えて解決を
17日未明、静岡県下田市沖で米海軍イージス艦フイッツジェラルド号とフィリッピン船籍・日本郵船のコンテナ船とが「衝突」した。私は即座に「またか!」と思った。もう、何度も、何度も繰り返されてきた事件である。これまで、多くの米潜水艦が日本の漁船に、そして、自衛艦がつり船に、「ぶつかって」いる。
とくに、第一富士丸と潜水艦「なだしお」の事件は、忘れようがない。海上衝突予防法では、2隻の船舶が接近した時、「相手船を右舷に見る船に回避義務」があり「左舷に見る船に航路保持義務」があるとされている。あの時、回避義務は明らかに潜水艦側にあった。小さな釣り船は、衝突してわずか1分で沈んだ。乗客48人中、30人が命を落とした。
この事件には、あらゆる罪悪があった。まず、回避義務があるのにもかかわらず潜水艦は避けなかったこと。そして、衝突後、「助けてくれーっ」と叫ぶおおぜいの人を救助せず、見殺しにしたこと。事故後、自衛隊は、警察の聴取に7時間応じなかった。つじつま合わせを必死にやっていたのだろう。(杉野推測)事実、航泊日誌を改ざんしていたことも審判の中で明らかになった。 翌日になって、海上幕僚長は「第一富士丸がぶつかってきた」とする声明を出した。同じ日本人である自衛隊で、こうである。 今回は、アメリカのイージス艦である。事故後、当然のように「公務中のアメリカ艦船の事故調査は、アメリカ合衆国に捜査権がある」日本の警察は、当面、立ち入り禁止とされた。
日米安保条約・行政協定では、アメリカの基地はもちろん、艦船、航空機、戦車、車両、その存在自身がアメリカ合衆国なので、日本国内、領空、領海、すべてを自由に移動ができることになっている。コンテナ船が接近していることを早くから把握していたのに、なぜ衝突を回避しなかったのか、疑問が湧く。自衛隊員の話では、どこかに、しかも普通に「民間人が避けるべき」という気持ちがあるという。
今回ぶつかったフィッツジェラルド号は、j東日本大震災でのアメリカの「トモダチ作戦」に参加した艦船だ。あの時、アメリカもたまには良いことするのか、と思ったが、後になって、作戦の費用を90億円くらい日本政府に請求してきたという。
真相究明が大事になるが、アメリカは「死者数も明らかにできない」という。今後のこともある。アメリカ軍はすべてを公表して、2度とこういう悲しい事故が起こらないようしてほしい、と願うだけである。 杉野 記
テーマ:杉野 おさむ かけあし日記/ コメント(0)/
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