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文化田園都市構想で誘致した理科大。跡地を産業系に変更。問われる久喜市の未来

2015年11月議会、最大の議案が総合振興計画・都市計画マスタープランの変更といえるでしょう。平成25年3月に、10年先を考え、練に練った計画を何故、変更するに至ったのか。あなたは、知っていますか。
  

議会で、議論になったのが、東京理科大学跡地をどうするのかです。

久喜市は40億円の税金を投入し、文化田園都市構想をかかげ、実現した東京理科大学の誘致。理科大は2016年4月には撤退することが決定した。

久喜市は撤退と同時に、東京理科大学が「物流関係」を手がける事業者に販売しやすいようにと、高額でしかも、まとめて売りやすいようにと「住居系」~「産業系」に用途変更するため、久喜市が街づくりの「総合振興計画・都市計画マスタープラン」を変更したことになる。

久喜市は理科大が「跡地の40%を無償で久喜市に提供する」としたことが、「理科大は最大限の譲歩」と受け止めたようだ。

しかし、地元からは、 下記のような請願が提出された。


「請願第2号 東京理科大久喜キャンパス 撤退跡地の 他の用途変更を行わないこと。即ち現行久喜市都市計画マスタープランの土地利用計画に則した土地利用を堅持して頂きたい。」用途変更しないでとの請願である。
文化田園都市環境を形成しつつあったと言える。理科大の撤退にあわせ、余りにも拙速であった考えられるし、「住居系」のまま、久喜市が残り60%の土地購入を検討すらしなかったのは残念でならない。 久喜市の都市構想、20年先30年先を考えての決断であったのか、問われた議会となった。
日本共産党久喜市議団は、請願の紹介議員になるとともに、委員会や本会議で議論を展開した。
請願に対する本会議での賛成討論です。 

請願に賛成の立場から討論致します。
この請願には、地元に関係する区長さんの署名が添えられています。


区長さんは、日頃は、久喜市の行政と深く結びつき、行政の執行の一旦を担っておられる方がたです。その方がたが、久喜市がすすめようとしている事業に対して、異を唱え、請願を出すことは、勇気が必要だったのではないかと思います。私は、それだけに、今回の請願を重いものがあると受け止めたところです。


さて、請願の内容は、表題にもあるように、現在の 久喜市都市計画マスタープランの 土地利用計画に則した土地利用を堅持して頂きたい。という内容で、自分達地域のエゴ的な立場からではなく、これまで久喜市が貫いて来た、街づくりの計画を、今後も継続してほしい。という素直なものです。


その思いは、これまでの住居系から産業系に用途変更を行うことになれば、これまで、醸成されて来た東京理科大学を含む近隣の環境が大きく変わることになると懸念するからです。


請願審査では、地元市民の皆さんの思いが語られ、大型車両の通行、24時間創業で深夜の騒音、家屋の振動、大気汚染、渋滞による排気ガスの増加、農業面では夜間照明による農作物への影響、車両通行による公害は道路沿線の住宅など大変苦渋すると考えられる。「第3の清久ショック」と呼んでいると述べられました。


変更される、現在理科大跡地の様子を具体的に言えば、周辺地域には、特別支援学校や、介護施設などがあります。この環境を守り続け久喜市の発展を考えることができないのか。投げかけられています。


東京理科大の撤退はやもう得ないとしても、一旦久喜市が買取り環境の維持方向など、十分検討していただくことも大切ではとの提案も、理解できるものです。


パブリックコメントにおいて、理科大の跡地は「産業系」にしないで、今ある緑を残して「久喜市の公園」にしてほしい。など環境保全を求める意見が出され、これに対する市の回答は、「東京理科大跡地が何も利用されずに荒地になる恐れや、土地所有者の都合による無秩序な土地利用の恐れがあります。」としています。


しかし、東京理科大が撤退したとしても、東京理科大には、住居系にふさわしい環境を維持していく責任が土地所有者としてあります。市は、これまでも、土地所有者が空き地を放置し、草などが茂っていれば、管理をしっかりするよう指導して来ました。


東京理科大跡地を、撤退に合わせ早急に「用途変更」しなければならない理由とはいいがたいと、言わなければなりません。


久喜市は、跡地を購入しようとする意思はあったのかとの問に、「特に市のほうで積極的に買い取ろうという考えは言っておりません。」との答弁でした。東京理科大が一方的に示した簿価82億円を前提に交渉する意欲すら示さないとすれば 市民の願いに耳を傾けない姿勢で残念でなりません。


撤退後、東京理科大とこれまでの経過を大切にしながら、久喜市の街づくりにふさわしい、跡地利用はどんな選択肢があるのか、用途変更せずに時間をかけて検討することは、十分可能な選択肢の一つであったと言えます。今回の用途変更はあまりにも「拙速」です。


請願の審査では、平成5年、東京理科大学を誘致した際には、当時は農業をする方が多く、そしてやる気のある農家の方が非常に多かった。けれども、久喜市の文教地区をつくっていくという熱意に皆さん協力をして、久喜市における高等教育機関という公共施設のために協力し土地を提供したと語られました。


久喜市民は、公正公平な立場から、市民の利益にかなった事業には賛同するものです。久喜市と久喜議会が請願趣旨を受け止め、請願に賛同して頂きたいと願って 賛成討論と致します。   

石田としはる 記







 

2016.01.04 19:08:13

テーマ:議会の動き・久喜市のホットニュース/ コメント(0)/

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